ゲームデザインとゲームプレイヤーの不満感情の原理
ゲームデザインについて色々考察してるわけだけど、最近は、プレイヤーを理解することに重点を置いている。
ちょっとした思いつきで、『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』(以下SJ)をプレイしたユーザが、どんな種類の不満の感情を持っているのかを軽く調べてみた。データは、ndsmk2に投稿されたレビューを使用。
結果は、以下の通り。
- 面白くない
- だるい
- めんどくさい
- イマイチ
- 簡単
- 作業的
- 〜しにくい
- 理解できない
- 違和感
- 魅力に欠ける
- イライラする
- もっさり感
- ストレスが溜まる
- ダレる
- 理不尽
- うんざり
- 単調
- しんどい
- 緊迫感がない
- 気持ち悪い
- 親切でない
- 楽しくない
- 不便
- ワクワクがない
- 退屈
- うざい
- 疲れる
- 嫌らしい
- うんざりする
- 意地悪
- 寂しい
- 味気が無い
- 嬉しくない
- 達成感が殺がれる
- テンポが悪い
- 戸惑う
- うっとうしい
- しつこい
- 苦痛
- 邪魔
- 不快
本当は、以下のような疑問について考えたり、さらに詳細な分析も必要だけど、とりあえずは、各項目が一つの「不満の感情」に対応するとして考えてみる。
- 「感情」と呼ぶのが適切なのかどうか
- 項目間の関係性: たとえば、「理解できない」ので「イライラする」ので「楽しくない」というような関係性があると見なすのかどうか。
- 項目間の類似性: 「意地悪」と「嫌らしい」は、異なる感情だと見なすのかどうか。
いずれにせよ、上記の項目は、プレイヤーが表現したものであることは確か。
下記の図は、ゲームとプレイヤーの不満感情の関係モデル化したもの。
あるゲームは、SJの上記の項目のように、考えられる不満感情の一部に対応付けされる。
上記のモデルでは、あるゲームから不満感情への対応付けだけど、もう少し詳細化したモデル化も可能に思える。僕の理論では、
- ゲームは、ゲームデザインを実現化したものである
- ゲームデザインは、デシジョンとデシジョン間の関係からなる構造である
- ゲームデザインに対するプレイヤーの不満は、以下の場合に発生する
- (1) 個々のデシジョンから発生
- (2) デシジョン間の関係から発生
という見方をしてる。
この見方によれば、上記のモデルは、下記のようになる。
下記の図は、最初のモデルと二つ目のモデルの関係を示している。
このようにモデル化することで、以下が考察できる(あるいは、仮説を設定できる)。
- (1) あるデシジョンから特定の不満感情への対応づけの度合が存在する: たとえば、あるRPGでの「ラスボスは、10回攻撃できる」というデシジョンがあったとすると、「理不尽」という感情に対応づけされる可能性は多くても、「気持ち悪い」という感情に対応づけされることは恐らく少ない。
下記の図は、対応付けの度合いを線の太さで表現している。太いほど、対応づけされる可能性が高い。
- (2) あるデシジョン構造から特定の不満感情への対応づけの度合が存在する: 一つ目と同じだけど、例が思い浮かばない。