ゲームの進化を理解する?

昨日寝ながら思ったことを。


生物が進化するように、建物や道具などの人工物も進化する(ように見える)。ゲームも人工物の一種として進化する。

ちょうど、今週のファミ通の特集の「これからのゲーム(RPG編)」では、こんなフレーズがあった(強調は僕)。

過去〜現在に至るまで年代で見るRPG進化の系譜

ということで、86年から2009年までのRPGを列挙し、年代的に代表的なRPGを紹介している。また、年代順に「進化のポイント」を挙げている。

参考にはなる。だけど、ファミ通は、学術的な雑誌ではないので、進化という言葉を特に意識せずに使っていると思う。

さて、では、ゲーム、あるいは、ゲームデザインの進化をもう少しマジメに考え、その進化の過程を理解することは有益だろうか? この疑問に答えるのは結構難しい。つまり、進化を理解することがゲームを作る上でどんないいことがあるのか? という現実的かつ実践的な疑問に答えないといけない。これは難しい。よくある答えは、進化を理解できれば進化を予測できる、というものがある。もちろん、予測できる範囲は限られている。完全にユニークなものは予測できない。


予測できるかどうか、役立つかどうかはさておき、少しアプローチについて考えてみる。

まず、ゲームデザインの進化を理解するためには、理解に適した表現が必要である。たとえば、開発者の誰かに情報伝達するための仕様書のフォーマットを進化対象の表現とするのは適切だろうか? 仕様書に書かれていることの変化の過程=進化だろうか?

僕が現状でうまくいきそうだと思っているのは、ゲームデザインをデザイナーが決めたことの集合、とみなして、決めたことの変化の過程を進化と見なすことである。

「決めたこと」というのは、たとえば「レベルがあがる」や「レベル制限は100である」などである。


これで、何が進化するのか、ということをとりあえず設定したことになる。次は どう進化するのかを考えてみることだ。進化の仕方になんらかの法則はあるだろうか? 別の言い方をすれば、ゲームデザインの進化を単純なルールの適用過程として表現できるだろうか?

いくつか単純なルールっぽいもの考えてみた。

  • 純化不要なゲーム要素(決めたこと)をなくす。
  • 選択化:ユーザが選択できるような要素(決めたこと)を追加する。「難易度の選択ができること」や「メッセージスピードの選択ができること」など。

他にも色々考えられると思う。もし、適切な種類のルールが分かれば、ゲームの進化過程を表現できると考えられ、僕たちの理解が深まったことになる。