ゲームの進化を理解する?
昨日寝ながら思ったことを。
生物が進化するように、建物や道具などの人工物も進化する(ように見える)。ゲームも人工物の一種として進化する。
ちょうど、今週のファミ通の特集の「これからのゲーム(RPG編)」では、こんなフレーズがあった(強調は僕)。
過去〜現在に至るまで年代で見るRPG進化の系譜
ということで、86年から2009年までのRPGを列挙し、年代的に代表的なRPGを紹介している。また、年代順に「進化のポイント」を挙げている。
- 1986年:ドラゴンクエスト
- 家庭用RPGの原型と言える雛型の構築
- 1987年:デジタル・デビル物語 女神転生
- 敵を仲間にし、さらに合成して育てるシステム
- 1987年:ファイナルファンタジー
- 美麗なグラフィックと独自システムの採用
- 1995年:テイルズ オブ ファンタジア
- バトルシステムの幅を大きく拡大
- 1996年:ポケットモンスター
- 交換などコミュニケーションの付加
- 1997年:FF VII
- 3Dグラフィックを使ったRPGの礎の構築
- 2000年:ファンタシースターオンライン
- 家庭用ネットワークRPGの幕開け
- 2002年:FF XI
- 数千人のユーザと同じ世界にいるシステムの構築
- 2002年:.hack
- ゲームの魅力を増加させたアニメDVD
- 2007年:世界樹の迷宮
- 原点の楽しさと現代RPGの融合
- 2007年:オブリビオン
- 2009年:ドラゴンクエスト IX
- 1年間毎週必ず配信される新たな要素(クエスト)
参考にはなる。だけど、ファミ通は、学術的な雑誌ではないので、進化という言葉を特に意識せずに使っていると思う。
さて、では、ゲーム、あるいは、ゲームデザインの進化をもう少しマジメに考え、その進化の過程を理解することは有益だろうか? この疑問に答えるのは結構難しい。つまり、進化を理解することがゲームを作る上でどんないいことがあるのか? という現実的かつ実践的な疑問に答えないといけない。これは難しい。よくある答えは、進化を理解できれば進化を予測できる、というものがある。もちろん、予測できる範囲は限られている。完全にユニークなものは予測できない。
予測できるかどうか、役立つかどうかはさておき、少しアプローチについて考えてみる。
まず、ゲームデザインの進化を理解するためには、理解に適した表現が必要である。たとえば、開発者の誰かに情報伝達するための仕様書のフォーマットを進化対象の表現とするのは適切だろうか? 仕様書に書かれていることの変化の過程=進化だろうか?
僕が現状でうまくいきそうだと思っているのは、ゲームデザインをデザイナーが決めたことの集合、とみなして、決めたことの変化の過程を進化と見なすことである。
「決めたこと」というのは、たとえば「レベルがあがる」や「レベル制限は100である」などである。
これで、何が進化するのか、ということをとりあえず設定したことになる。次は どう進化するのかを考えてみることだ。進化の仕方になんらかの法則はあるだろうか? 別の言い方をすれば、ゲームデザインの進化を単純なルールの適用過程として表現できるだろうか?
いくつか単純なルールっぽいもの考えてみた。
- 単純化:不要なゲーム要素(決めたこと)をなくす。
- 選択化:ユーザが選択できるような要素(決めたこと)を追加する。「難易度の選択ができること」や「メッセージスピードの選択ができること」など。
他にも色々考えられると思う。もし、適切な種類のルールが分かれば、ゲームの進化過程を表現できると考えられ、僕たちの理解が深まったことになる。